ケシパール10周年を迎えて




2021年4月29日、


カフェケシパールはおかげさまで10周年を、

そしてカフェケシパルーフは4周年を迎えることができました。




応援してくださる皆様と共に、

この大きな区切りを迎えられたこと、

とても感慨深く、嬉しく思っています。


本当に、ありがとうございます。







開業準備から気にかけてくれ、

時には手伝ってくれたり助けてくれたりもした、

家族や友達、ビルのオーナーさん。


まだまだ「ただのカフェ」としても魅力が不十分だったと感じるような店構えにもかかわらず、

1年目から通い、私たちを励ましてくださった常連様。


「美味しい!」「ご馳走さま」「ありがとう」という、お客様の言葉と笑顔にどれだけ活力をもらったかわかりません。





夫婦二人だけで営業していた頃、私たちに会うために来てくれていた常連様たち。

私の母の病気の治療などで不規則な営業にもかかわらず、応援し、ケシパールに変わらぬ愛を注いでくれた皆様。


店が忙しくなるにつれ、

常連様と話す時間もどんどん短くなってきていた中で、入店待ちの行列を確認するその一瞬にも、目と目で心が通じ合うことを実感した、あの日々。


二人だけではとてもやり抜けなかった営業の中で、取捨選択しながらもなんとか完遂できたのは、常連様の気遣いがあってこそでした。


そして、就職や転勤、結婚や出産など、

常連様の人生の節目を一緒にお祝いさせてもらったこと。


閉店後に常連様と聞いたレコード、囲んだ鍋。

「おまかせで」とオーダーを任して頂けたこと。


私たちの思いが至る所に詰まりすぎていて、

暑苦しくわがままな営業にもかかわらず、

ついてきてくれたお客様。


ケシパールで過ごす「当たり前の日常」が、

私たちにとっての「幸せの形」でした。











そして、最初に決めていた期限である3年がたとうとしているとき、「店を畳まないで欲しい、畳めないでしょ」と訴えかけるがごとく、ケシパールで見せてくれる嬉しい言葉や笑顔で私たちを勇気づけてくれたこと。



あのころの癖の強いオーナー夫婦二人の店に、果敢にもアルバイト応募してくれた皆さん。そこから歩みを共にしてくれた、たくさんのケシメイツ。



初めてケシメイツが加わったころには、私たちもテンパって、思うように上手くいかない部分が出てきても、温かく見守ってくれた常連様。



ケシメイツを主役に舵を切りながら、今までできていたことまでできなくなったり、目指しているものが遠くなったりを感じるような日々にも、



応援し、成長していくことを共に楽しんでくださったお客様。





そして、メイツ主体になり、

メイツ自体の入れ替わりも勿論あり、

もどかしい思いをさせてしまうことや、未熟だと感じることを常に抱え、


ただただ私たちの申し訳ないという思いにも、愛で返してくださるような、そんな皆様に支えられてきた日々。






コロナで営業が厳しくなった時にも、

私たちが「頑張らねば!」と「頑張りたい!」と思えるような、熱く、優しい言葉や行動で、応援してくださったこと。


周年の度にいただく、お花やメッセージ。



そして、今のケシパールを作る上で、欠かせない、

神戸中村珈琲さん、器作家清水しおりさん、堀口珈琲さんとの出会いと関わり。


学生時代からケシパールに通い、ケシパールへの愛を創作意欲に昇華し、

社会人になり、結婚してもなお変わらぬ愛をアクセサリーにしてぶつけ続けてくれているTopiaさん。



どの瞬間のどの出来事が欠けても、

「この」10周年は無かっただろうなと感じるほど、

選んできた道、過ごしてきた時間、かけてきた情熱全てを、



こんなにも充実して、愛おしく、温かいものにしてくださったのは、



他でもなく、支えてくださる皆様の、

そして共に歩んでくれる皆様のおかげです。



本当に、本当に、ありがとうございます。





ケシパールを生み出すと決めてからの歴史は、

私たちの人生をかけた、挑戦の10年でありました。



自分たちの人生をかけて、こんなにもたくさんの人と一緒に何かを作り上げたり、

目指したりするという経験そのものも、


そして、それによって得られた思いや感情の強さや深さというものも、


いわゆる「普通の」人生を選んでいたら、

到底触れることすらできなかっただろうなと思うほど、

本当に貴重で、大切な、私たちのたからものです。



ケシパールの掲げている、

「笑顔で笑顔を作る」という使命。


一見するとそこは「幸福感」と「楽しさ」で溢れているように見えますが、

決してそればかりではありません。


私たちの拓いてきた、そしてケシメイツと共に歩んできた道は、

努力と忍耐が必要な場面も多くありましたし、


「もっとこうできたらよかった」と後から思うことや、

「お客様を笑顔で送り出せなかった」と悔しい思いをすることも、

お客様に笑顔どころか、ご迷惑やご心配をおかけするようなことも、

たくさん、たくさん、ありました。




特に、メイツ主体ということを目指してからのこの3年間は、


今日1日の中で、どのくらいの人の心をケシパールで温めることができたのだろうか。

今この瞬間に、ケシパールから笑顔の波は広がっていっているのだろうか。


自分たちでもなかなか納得がいく状態まで持っていけていないという感覚を持ちながら、


それでも、

チームを引っ張ってくれている大黒柱のまいパールの努力を軸にして、

お客様に支えられながら、励まされながら、勇気づけられながら、


「笑顔で笑顔を作るため」、

1日1日、歩みを進めてまいりました。





10年という年月を経て、

私たちも歳をとり、

同じように、ケシパールも歳を重ねました。






その間に、

たくさんの人の人生に顔を出し、

たくさんの人に描いてもらうようにして、

ケシパールの歴史ができてきました。


毎年、周年の営業が終わった後、店内の椅子に座ってランプに照らされていると、

開業当初からのこれまでのことが、胸のうちからこんこんと湧き出てきて、

目頭を熱くします。















今ケシパールに出会う、沢山のお客様には、

生まれたばかりの「あのケシパール」を想像することすら難しいのかもしれないー。






変わっていくこと、成長していくこと。






それは、いつも猛烈な寂しさや切なさをはらんではいますが、

どんな時にも必要なことだと考えています。




でも、

「人生をかけて「笑顔で笑顔を作る」ことに本気で取り組んでみたい」と決めた開業時の思い、そして

「笑顔で笑顔を作ることの源である」というケシパールの存在意義、


それは、10年経つ今も、色褪せず、

これまでも、これからも、

ずっと変わりません。







ただ開業時に描いていた思いと違うことは、


今もなおこうして人生を掛けて取り組めていること。

共感し、志を共にしてくれる仲間がいること、

応援してくれる方々がいること。



そして、

生まれてきた関わりや費やしてきた時間の中で、

私たちが逆に、

お客様の笑顔で笑顔にしてもらっていると感じることの多さ。


さらには、

ケシパールを卒業したケシメイツ達もまた、

新たな「源」として、「ケシメイツとしての志を持って」

社会に出て、周りの人と関わってくれていると感じられること。




私たちが皆さまと共に紡いできた10年という歴史の中で、

自分達の住む世界が、

本当に少し明るく温かいものになっているのではないかと思うくらい、

本当に幸せで、ありがたいことだと感じています。




今の瞬間をケシパールで過ごすお客様に、

全てを感じてもらうことは、難しいことです。


でも、

人の一瞬の姿に「生き様」が見えるように、


ケシパールにも、

これまで、ケシパールを作ってきた私たち、ケシメイツ、お客様と、

共に過ごした時間や交わした笑顔、


その人生の片鱗を感じることのできるような、

そういう愛の、優しさの、情熱のこもった「何か」を感じられるような、

そんな場所でなくてはならない。





ケシパールの生き様。




10年を経て、

今改めて私たちの中に、そういう思いが強くなりました。




昨今の世の中では、

「人と人とのつながり」や「人と人との関わり」が、

油断すればすぐに途切れてしまうような、

関係の儚さ、脆さ、危うさを感じることが多々あります。




特にコロナウイルスが始まってからの世界は、

より拍車をかけて、

人との距離を遠く感じさせてきます。












そんな中で、そんな時代だからこそ、

人の心を温めたり、励ましたり、

「共に在る」と感じてもらえるような存在でありつづけることに、

とても価値があると思っています。



そして、そう考える人が増えれば増えるほど、

そういう場所が増えれば増えるほど、

世界はより豊かで温かく、色鮮やかになると信じています。



ケシパールという場所が、安心できる場所であることが、

ケシパールで過ごす時間が、エネルギーをみなぎらせてくれると約束されていることが、

ケシパールという場所が、ケシパールであり続けることで、



人の心を強くし、温め、

笑顔にすることができたら。





そこには、チーズケーキも珈琲も、カフェもなく、

そんなものを超えた価値があり、

そんなものが取るに足りないものに感じるほどの意味があると思っています。



ケシパールにできること、

ケシパールのやるべきこと、



私たちの進むべき道は、

まだまだ先は長く、これからもずっと歩みは止めることはありません。




この10年という、大きな節目に、しっかりと初心に帰り、

今までの歴史を背負ってしっかりと歩みを進める覚悟と、

より大きな成長への意欲を胸に、


ここからまた「笑顔で笑顔を作るため」に、日々邁進していきたいと思います。









最後になりましたが、

改めて、


ケシパールに、そして私たちに、かけがえのない10年間を、

本当にありがとうございました!

 

書き切れないほどの愛と感謝を込めて





オーナー 達也・名都子










コメント

  1. ケシパール、ケシパルーフ様

    こんばんは。ケシパール10周年、ケシパルーフ4周年本当におめでとうございます。お店を知った当初は毎週のように通い、好きなコーヒーとチーズケーキに癒されていたものです。ただ、この大変な御時世となり、なかなか伺うことができず、悶々とした日々を今は過ごしています。久しぶりで、そして、マスクをつけて行ったのにも関わらず、変わらず覚えていて下さり、本当にありがとうございます。また近いうちに行けたらいいな。お店で過ごす時間はなんともいえない幸せな時間です。


    香りのお兄さんより

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